爽快な瞬間

私は左利きでハサミが結構苦手だ。左手用のハサミがあればいいのだが、右手用だとうまく使いこなせない。

紙切ハサミは無事に大人っぽい左手用を手に入れている。というか、両手用みたいな感じのもので厳密には左手用ではないため、切れないものがある。プラスティック素材の食品袋の二重や三重になっている箇所だけが左手では切れない感じだったりするので、その時は右手でハサミを持ち替えて切ることにしている。そう言うことはよくあるものだ。

右手が扱えないわけではない。真っ直ぐ切るとかは問題ない。

必要に迫られて、パンツの裾上げをミシンがないから手縫いで仕上げたが、とっても気分転換になってスッキリしたことがあり、とれかけのボタンを付け直すとかをしていた。仕事終わりでユザワヤによる機会があり、ハギレを買ったついでに左手用の裁ち鋏を購入した。裁ち鋏って切る感触がとっても気持ちがいいことは知っている。ただ、左手用のハサミが私のそばにはなかったので、いつも右手で直線の時は普通に切っていたが、曲線となると左手で苦労しながらちょっとずつ切るか、調子のいい時には右手で割と綺麗に切れた時もあった。

右手でハサミを扱うのは本当に大変なのだ。

でも左手用の裁ち鋏を手に入れて、本当に爽快な気分になって、右利きの人はこんな爽快な切れ味を味わっていたのか!と衝撃的だった。手縫いは時間もかかったけれど、気分転換にちょうどよかった。採寸してパターンを起こして、途中で仕上げ方を悩んで変更して…

 

余計なものは買わないようにしようと思って、仕事が立て込んでいる中では、スーパーかドラッグストアしか行っていない感じだった。肌寒いと思ってネットで服を購入するとかそんなことはあったけれど、雑貨なんて買うことがなかった。

掃除が大変になるし、必要ないものを買うのはよくないなと思っていたからだった。なんとなく、余計なものを買いたくなって、ラジオメーターとストームグラスを購入した。お天気の日にはガジュマルの横でくるくる回っていて、それで、枕元には白い結晶がふんわりしている。

本当にお天気が変わると中身が変わるのかわからないが、見た目も可愛い。必要不可欠なものでもなんでもないが、邪魔でもない。その上可愛い。

心の余裕を持ちたいと思いすぎて、気分転換を一生懸命やっている感じ。とっても疲れているし、追い詰められているなと思う時があって、その最中にいる自分に笑ってしまいそうになった。オフィスから離れて帰宅すると辟易していることに気づき、無条件にそのまま2度と行きたくないなと思ってしまっている。疲れた、めんどくさい以外の感情がなくてびっくりする。この案件がうまくいかなかったら、とか。この局面を乗り越えられなかったら、とか。不安や恐怖みたいなものをほぼ感じることがない。

この仕事についてから、随分図太くなったとは思うが、こんなに何も感じないとちょっと心配になる。でも休みの日は、楽しいとか、嬉しい気持ちは結構湧き上がることがある。でも仕事の連絡が入った瞬間に全てが萎えてしまって、明日の仕事を考える時点で気が重く、面倒臭くなってしまう。

もう退職について前向きに考える必要があるのかもしれないなと、真剣に考える方がいいのかもしれない。ちょっと持ち直して朝、仕事へ行く時に気楽に行けるようになったり、吐き気を携えて行ったり、毎日なんのためにこんなことしてんのか。と自問しながら生きていくのも違う気がするなー。とも思う。毎日仕事のある時はほとんど何もできないし、残業すんなって言って来るなら、業務減らしてくれよといつも思う。私だって休日出勤なんてしたくないし、残業に該当しない家での業務もしたくないし、毎日定時で帰りたい。有休も連休もとりたい。

ニット帽欲しいなー。