諸人こぞりて

序→破→Q→シンと全部のエヴァを見終わった。

途中で一体私は何を見せられているんだろうと思った場面もあった。それにQから急に現代の綺麗なアニメーションになったなあと思ってみていた。

Qが一番シンジくんを嫌いになって、シンも最初イラついて仕方なかったのに、途中から突然大人になっていく様を見た。自分の恐れていたものと同調するとか、それが怖くないと気づいた時に、人は大きくなるんやねえ。って思ったのですよ。

シンジくんはともかくムカつくとしか言いようがない。最初からイライラするんだけど、設定を理解することに気を取られ、それほど最初の2作はシンジくんのイラつきポイントは目につかない感じだった。でもQでは目について鼻についた。こいつ…ってなる。カオルくんとのやり取りで最高潮にイラついていて、そのままのイラつき度でシンを見てしまったので、ともかくシンジくんって本当にやな奴だ。とイライラ。

でも確かに目の前で衝撃的なものを見たのだと思うと仕方ない反応なので、このイラつきはおかしいのだが。やっぱりアニメの主人公って基本的に強いメンタルを持っていて、泣きながらも進んでいくもんじゃないか。ナルトも、虎杖も。本当に現実ならこの反応は当然のことだ。でもこれは現実ではなくてアニメなんだから。ともかくイライラ…

シンの途中で私は一体何を見せられているんだろう…と思って、倍速にしてやろうかしらと思った部分もあったのだが、そのすぐ後に展開があって、号泣の意味がわかった。見た人が泣いたって言ってたなと。泣きのシーンは人それぞれだと思うし、私は意味がわかるようなわからないような状態で見ていたが、それでも泣けたので、きっと考察とかしていた人は感動も一入なんだろう。

 

映像はすごく綺麗で、みていて気持ちが良い。とっても綺麗に整列しているものがたくさん綺麗に並んでいて爽快。

そして、いつもいつも気になるのが音楽なんだけど、作中の音楽がなんかもう、何だろう?なんで?

 

意味わかった?って言われたら、わかんない。って答えると思うけど、意味って何だよ、といつも思うので、わかんなくって良いんだと思う。わかったって人だって本当にわかっていないことの方が多いと思う。自分の解釈でわかったって思っているだけなんだから。意味がわかるなんて、数学の公式がわかるとか、英文を読み下せるとか、取説を読んで、操作がわかるってことであって、意味がわかるってそういうこと以外にないんだと思う。

 

現代アートとかが好きで、私はよく観に行った。当時の彼氏は一切興味がない人だったから、一緒に行こうなんて思っていなかったが、私を喜ばせようと思ってくれたのだろう、連れて行ってくれた。

でも、とっても退屈になったんだと思う。興味のない人にとっては貴重な休みを美術館でぶらぶら過ごすなんて嫌だったのかもしれない。それで、言ってみたくなったんだろう。

こんなの見て楽しい?意味わかる?って。

意味わかる?って言葉にどれほどの意味を込めたのかということについては、殆どなんの意味もない、ただの意味って言葉だったんだろうことは私にもわかっている。

意味わかるってなんだ?意味って何だ?どうなったらわかったって言えるんだ?一体何なら意味がわかったって言えるんだよお前は?

噛みつきたくなる衝動を堪え、口をついて飛び出そうになる言葉を必死に嚥下し、愛想笑いで答えた。

意味なんてわかる必要ないんだよ、好きか嫌いかだけでみていればいい。この色が好きとか、心地いいとかそれでいいの。

 

私は言いたいことが言えない。言っても仕方のないことだと思うからだ。誰かを不快にするかもしれない言葉を言いたくなった時には、一旦飲み込むことにしている。私が言ったことで私は束の間スッキリするが、きっとその何倍も落ち込むだろうと思う。なんて偉そうなんだろう。私は。何様のつもりなんだろうと、恥ずかしくなって落ち込むからだ。

 

言葉一つで落ち込んで再浮上に時間がかかるなんて、シンジくんの何倍もイライラする人間なんだろうなって思う。いや、シンジくんはえらい。最後なんてただの大人にしか見えなかったもの。多分、大人の設定だったからだけど。