長い長いトンネル

病院での入院生活は問題なく足速に終了した。

以前にも一度入院をしたことがあって、その時は1週間ほど入院していたのだが、身体がなんとか元に戻ろうというか、元に戻すためにどうしたらいいのかを自分の体の動き方を見て考える時間となっていた。

でも今回は手術方法が全然違ったので、かなり早く通常と遜色ないくらいにまで戻った。そのために、非常に退屈で、いち早く家に帰りたかった。

やはり個室ではないので、同室の方の状態とかも気になって、全然休まらない。それに洗面台を使用するタイミングとか、動き出すタイミングをカーテン越しに推測って動くのはそれなりに面倒臭かった。多分同室の方はほとんど気にも留めていないだろうけど。

明らかに私が一番若く、1人はかなり年配の方だったので、なんとなくカーテン越しの気配で、勝手に心配してしまっていたりで、なんとなく本当に疲れる日々。看護師さんが来られるタイミングとかを気配で察知するために、動画にも集中できないという有様で、なんか本当に何をしていたのかはよくわからない。

そのくらい、私には余裕があったということになる。以前に入院していた頃は、術後の痛みがひどくて、そんなことを気にする余裕もなかったし、ベッドから起き上がれない状況だったこともあるので、今回のような変な気疲れを感じていなかったと思う。もっと病人だぜって顔をしていたと思うが、今回は全然違う、確かに病巣があるので入院していたのだし、病気なのは間違いないのだが、私からその病巣を取り除いたら、私は本当にただの健康体の人間でしかない。健康診断でも低血圧以外に何も問題がない程度であり、しょっちゅう立ちくらみとめまいと頭痛を携えているが、重篤なものは何もない。

日がな一日、お布団バカンスって感じで想像していたが、トイレと病室以外の行動は禁止されていたので、何にもやることがない。それにパジャマでどこかに行きたいと思ってもいない。点滴が入っているし、やることは動画を見ることくらいだった。

面白いと聞いていたサマータイムレンダを最後まで見た。面白かったと思う。人の生き死にの話だし、病院で見るにはふさわしいのかよくわからない。とりわけ私は怖がりなので、病室以外で見たかったとは思っている。

舞台は和歌山県のヒトガシマという島で何百年にも渡り、言い伝えられている伝説と風土病にまつわる、世界の終末を回避するために奮起する話。最終的にはハッピーエンドだったので、私は結構好きな感じだった。途中から絶対バッドエンドなんじゃないかと怯えていたが、そうではなかった。和歌山が舞台というだけあって、和歌山弁だった。と言っても私にも和歌山弁ははっきりわからないが、なんとなく言い回しがそうなんじゃないかと思う。それ以外のイントネーションはきっと関西弁になるとは思うが、それはそれ。癖になるね、モノマネしたくなるが、もうできない。

25話まできちんと見切った。それから余った時間に蟲師を見た。初めて見たし、漫画自体も読んだことがないのでよくわからないが、面白い。これは単純にまだ途中。それに枕には人の魂が宿るという話があって、人が頭を乗せる枕には…とか言ってて、夜中に病室で見ているのが怖くなった。本当にやめてほしい。私が頭を乗せている枕は私の前に何人も頭を乗せていて…と考えてしまって、そしたらこのベッドだって、幾人ねぞべっていたのだろうとか、重篤な方もいたのだろうとか、そんなことを考えていた。それは病院なんだから。

 

どっちも面白かった。異世界おじさんの新しい話が放送されていて、単純に嬉しい。やっぱり面白いね。おじさん…ってなる。たかふみも大概やけどな。本当に笑える。

 

まだ飲酒禁止だし、食べていいもの悪いものがあって、行動制限もあり、好きに何もできないんだけど、クリスマスだったので、気分だけでもと思って、マシュマロ入りのホットチョコレートを飲もうと思ったけど、マシュマロなんてなくって、ただのココアを飲んでみた。

ダサいクリスマスセーターもないし、ただ、ココア飲んでる人ってだけでした。

自宅ってくつろげるし、なんでもできるし、本当にいいな。

長期で入院している人とかたくさんいるだろうし、毎日毎日痛くてつらい時間をずっと耐えている人もいっぱいいるんだと思うと、胸が痛い。鬱屈とした日々が快方へ向かうというのであれば頑張って耐えていけるのかもしれない。長いトンネルを抜けると、って感じなのかも。

誰しも辛い思いをしないでいれたらいいね。