彼岸花

小学生の頃、実家の裏にはぬかるんだ空き地があった。後から聞いたところによると、元々田んぼだったところが荒地になっていたようで、水はけの悪さから沼地になっていた。


夏にはウシガエルがボーボー鳴いて、アメリカザリガニの一大生息地だった。

秋には鈴虫だかコオロギがずっと鳴いていたな。



家の裏には舗装された道路があり、その奥に駐車場と沼地があり、その向こうは大型車の行き交う国道だった。沼地は私有地だったのか、木の杭で適当に囲まれ、ほっそい適当な針金で人が入らないようにしていたが、すぐに木の杭は倒れて、お兄ちゃんたちとごろごろ転がっている石や岩をたどり、ザリガニを捕まえたり、カエルを追いかけ回した。


まるで野生児のようだが、真っ赤なアメリカザリガニが本当に沢山いて、無意味に捕獲していた。時には沼地から這い上がったアメリカザリガニが行き交うトラックにハサミを振り上げ威嚇しているのを見たことがある。


生きていくのに必死なのだな。戦う相手ではないと思うけれど。彼なりに生きているのだ。


沼地に入ることを固く禁じられていた私たちだったので、勝手口から不意に出てきた母親に見咎められることも多くあり、その度に日を置いて帰ってくる父親にいつの話なのかと言いたくなるタイムラグで、沼地に入るなと注意された。


沼地の淵には雑草が生えていて、夏には盛大に伸び、なんなのかわからないけど、ニラみたいに硬いまっすぐの葉っぱが生い茂っていた。ピーピーマメもくっつき虫も生えていた。何の目的も用事も全くないが、私たちは沼地で何が面白いのか遊んでいた。


全く何がそんなに楽しかったのだろう。果たして楽しかったのか?ただ、時間が行き過ぎるのを待つためだけにアメリカザリガニを捕獲していたのかもしれない。


夏の終わりには真っ赤な彼岸花が沼地の淵に一斉に咲いていた。いつも綺麗な花だと思っていたが、母親からは気持ちの悪い花だと教わった。紫陽花がお寺のお花のようなイメージなのと同じに彼岸花はお彼岸に咲く縁起の悪いお花のような位置づけなのかもしれない。



いつも気づくと真っ赤な花がぐるりと咲いていた。いつから咲いているのかわからないけれど、気づくと真っ赤になっていた。



手折って持って帰ることはなかった。縁起が悪いらしいし、道端のお花だから。


庭には沢山のお花が咲いていたので、わざわざ彼岸花を持ち帰る理由もなかった。

バラ、椿、ツツジ沈丁花、金木犀、梅の木、紫陽花…毎年花をつけていた。学校から育てるように言われていたアサガオ、ひまわり、ヘチマの他に、チューリップ、水仙、パンジー、鳳仙花なんて、子供のお花もたくさんあった。子供のお花って言い方はおかしいけれど、わかるでしょ。


確かに彼岸花はその中のどれよりも真っ赤で、野生ぽかった。


また、あの沼地はいつかから、水はけがよくなったのか、雑草に占拠され、カエルの鳴き声はなくなり、アメリカザリガニもいつの日が消えてしまった。

私たちはそのうち小学生でも沼地には入らなくなり、すぐに小学生ではなくなり、ある日全く気にもかけていなかったのだけど、沼地が草まみれの空き地になっていることに気づき、そしてすぐに忘れた。

また、なにかのタイミングでふと窓から眺めた時には、きれいな更地になっていて、駐車場になっていた。

もちろん、彼岸花もカエルもアメリカザリガニもどこにもいなかった。





9月のある週末に

夏が終わった。


8月が終わった時に夏が終わったと思う。台風も雨も多くて、夏とは思えない気温の為、もう夏ではないんだなと感じる。


今年の夏は短かったし、色んなこともあったけれど、何にもなかったかのようにも見える。側から見ていれば、何にもないただの日々の連なりでしかない。まあ、そういうもんだろう。それ以外には何もない。私にだけわかっていれば良いこともたくさんある。他の誰にもわからなくとも問題などない。


始まっては終わって、終わっては始まった。続けていくこともあり、やめていくこともある。もうあの光り輝く日々は夏の前だったのだなと改めて感じた。今日のお天気が6月だったのだと勘違いしても仕方ないくらいだ。まぁ、また6月にもどるなんてまっぴらだけどな。


街はAWが溢れていて、確かにいいなー、楽しみだなーなんて思うのだけど。いつも私は夏のことを考えている。キラキラ光る水面や、雫と波。まっすぐ射し込む光。蝉の声。なんばの駅前に非常に多くの人々が行き交う場所で、真っ白にひかるこの景色を時々ふと思い出す。


あれはどの夏だっけ?

あの日はいつかの夏だっけ。


あの夏に帰りたいなんて、思うことはないけれど。も一度だけ、1日だけでも、あの時のあの場所に戻りたいなと私は思う。



9月はいつもそう思う。いつかの9月は重苦しく、辛く長く、そして死ぬほど短かった。気づいた時には10月だった。



いつかあの日に帰ることなんてありえないけれど、いつもそっと帰ってみたい。あの時に、帰れたら、言えなかった事をしっかりと伝えたい。

もう2度と会うこともない。伝えることもない。話すことも、見ることも、目を合わすこともない。


動かなくなった手をしっかりと握った、あの景色は今でも鮮明に浮かび上がる。まだ少し温かみがあって、まだ普通に柔らかだったな。

blue hour / my favorite blue

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先日のコンパスで購入した7"に入っている2曲はダウンロードコードがついているので、盤はなくとも早速聴くことができる。


ライヴで数回聴いていたあおいろの歌がmy favorite blueで、なんでか私はミズイロと勘違いしていたけれど、とってもいい曲で。


gezanのblue hourもとってもいい曲なので、私は、たった2曲をエンドレスでずっと聴いているのだけど、あんまり聴くものだから、すぐに飽きちゃいそうで、そろそろ加減しようかなと思っているところ。


ライヴも最高で、7"もこんなで満足すぎる。いや、本当に誰かに伝えたいくらいだ。最高ですよー。って。




あおいろ

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LOSTAGE × GEZAN @conpass


NOVEMBERSから始まった。


true blue tourはスプリットツアーで、7"も発売されるはずだったのだけど、盤の仕上がりが間に合わなかったそうで、私はケースだけ購入してきた。


後日仕上がった時に、盤を手に入れることができるのが楽しみ。


LOSTAGEを観るのは久しぶり。


my favorite blue 7"の曲

戦争

blue

ひとり

down

2:50


大体1時間くらいだったかな。好きな曲満載で満足した。数曲抜けているかも?相変わらず音も大きくて、楽しかった。昔の曲と今の曲では雰囲気も随分違うけれど、なんか、ええなぁと思う気持ちは一緒やねんな。2:50が最初に作った曲とからしく、知らなかったのだけど、わかんないけれど、最初からこんな曲できるものなのね。ヒトって一体どうなってんだか。


また2マンもあるので、楽しみ。1時間くらいは毎回観たいなと思う。個人的にはNEVERLANDでのZAZENと2マンが非常に楽しみ。今日のと同じくらい楽しみ。


今夜は知り合いが心斎橋でイベントに出ていたらしく呼ばれていたのだが、都合がつかないと断りCONPASSに。来れてよかった。


GEZANは以前にfandangoで観たのが最初で最後。初見の時のインパクトが忘れられなかったのだけど、衝撃を受けたって事実だけが鮮明で、どんなだったのかはそこまで鮮明ではなかったのだなと、改めて感じた。


なので、また再び衝撃をもって観ることになった。大阪が地元だったことも初めて知った。前回はそんなこと話してはらなかったのかな。わかんない。周知の事実だったんやろうけど。


なんか、ともかく見た目がめちゃこわい。fandangoの時はMCの感じも怖かった。こわー。って感じ。声にすごいびっくりして、髪型とかともかくびっくりした。でも、すごいぐるっと巻き込んでライヴをするハンドで。


今回はソールドしていたこともあって、なんか暑くて暑くて。エアーコンディショナーは効いてへんのか。と思った。人の熱気が凄すぎて、汗はちっとも引かない。人もたくさん。楽しかったけど!


歌を歌いながら、手のひらを前に見せて、腕を前に突き出していて。なんか小指か薬指の第1関節が少しクニッと曲がった感じの手をしていて、可愛らしくてグッときた。

関節がクニッとしてる指ってなんてあんな可愛らしいのだろうね?時々見かけるけれど、可愛くて好き。自分の指はまっすぐになるので、時々わざと曲げておくことがある。上手く再現できないけれど。


今日のライヴは怖くなかったな。きっと2回目だったからかも。前回は結構ずっとこわい人ってイメージだった。多分、今回ライヴ中に話をされていたのが怖くなかったのやな。きっと。


タイムという曲があって、綴りはわかりません。

タイムマシンを何十年かかっても作るから、今はもう会えない人に会いに行きたいって曲で。お盆には会えない人にも会えるよな気がするから8月は好き。って。まだ8月のまだ夏の終わりでまだまだなんやわと思ったりして、夏には色々起こるよね。


楽しい夜でした。


White Reaper Does It Again

White Reaper Does It Again

熱中症ぽいサマソニ

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夜になって快適になったサマソニ。元気になった私たち。風の吹き抜ける気持ち良い夜に星のきらめく夜にオフスプ楽しかったな。たまらん。


暑さに弱い人間にとって、これって熱中症?まさかねー、なんてことは非常に多くある。よくある。日々クラクラしたり吐き気がするのは低血圧なのか貧血なのかわからないが、ヤバそうな雰囲気がプンプンする。


その時はdigitalismでやってきた。mountainの14:30は間違いなく炎天下で、日陰はステージの建て込み部分の影だけなので、前から数列に入らなければならなかった。


今回からmountainは野球グラウンドに設営されていた。野球部の練習はハードやなぁなんて気にもならないくらいに辛かった。ほんのり吹く風があるものの、人の熱気で嫌になり始めた頃にdigitalism登場!


少し気が紛れるかと思ったけれど、やっぱり暑い。人の飛び跳ねる様が辛い。音の振動が苦しい。ひとまず、風のあるだろう隙間のある後ろへ退散。ただ、影なんて1mmもない。直射日光にさらされて、暑すぎる。


頭痛と吐き気がしてきて、お腹も痛い。めまいがするので、ヤバイと思い、SONICのトイレに行くと呟いて1人mountainを後にした。SONICとmountainはそれほど離れてはいない。ただ、通りを渡り、食べ物の匂いが充満する屋台ゾーンを抜けて、行き交う人々の合間を縫ってひたすら歩いた。


ミストがないなんて。ないなんて。どこにもないなんて。mountainの入り口にあったけど、あれだけやなんて。クラクラする頭を携えてようやくSONICのあるアリーナの建物に入ったものの暑さから逃れようと溢れる人々。


1階の1番奥のトイレが空いていて綺麗なので、そこまで耐える。手前のトイレは既に長蛇の列だった。ともかくトイレに入る。この時点で滝のような汗。全く止まらない。


お腹の痛みはなくなったので、汗拭きシートで全身を拭き取り、SONICの廊下で座り込む。水ばかりではいけないと思って、ミネラル補給に麦茶を飲む。持っていた塩飴を食べる。汗は少しひいてきたけれど、お腹が苦しい。まだくらくらする。


これは熱中症なのかと心配になりスマホで検索する手が震えていた。まとめサイトに塩飴が甘いと感じたら2、3個まとめて食べましょうと書いてあったので、素直に3つ食べました。


段々落ち着いてきて、汗もひき、お腹もめまいもおさまってきた。指の震えもなくなってきたので、一安心。じわっと汗を掻くまではいかない室温だったけれど、大量の人が座っているので決して涼しくはない。鴨川のカポーのように等間隔に並んでいる。


友達も戻ってきたけれど、500ペットを2本飲み干していた。digitalismを最後まで観たかったけれど、あんなの無理。死んでしまう。と零していた。


SONICに退散してきた時点でcharlie puthは捨てた。絶対に戻れない。あんなに見たがっていた友人も戻れなかった。なんで野外かなー、digitalismは屋内で綺麗な照明でやろうよー。SONICの照明は沢山あってきれいだ。


本当にしっかり歩けるまで休んだ。きっと熱中症になりかけていたのではと思う。ちゃんと観たかったなぁとずっと悔やんでいるけれど、あのままでは大惨事になっていたなと思うので、私の判断は正しい。


いつもよりずっとやばかった。トイレにたどり着いた自分を褒めてあげたい。あのタイミングであの場を離れたのは正解だった。


一緒にいた友人も去年ほど元気ではなかった。やっぱりdigitalismが効いていたようだ。もっと楽しみたかった。この日は37℃の暑さだった。去年は30,000歩だったが、今年は23,000歩だった。たぶんシャトルバス乗り場まで歩く距離とユニバ駅に下ろされる距離がなかったからだろう。明らかに桜島駅が近いのになぜかユニバ駅から乗れと断固指示されるという。だったらもっとユニバに寄せてよ。


今年は何故かコスモスクエア1択だったらしいので、あんまり歩かずに済んだのかもしれないね。



今年の過酷さは熱中症ぽくなったからであり、見たい人を見逃したからだ。


それにしてもステージ位置の変更には閉口。あんなとこに設置するなんて。21時に終わって、出口にたどり着くのに30分はゆうにかかる。そこからシャトルバス乗り場に最速でたどり着いたとして22時でしょう。その頃にはSONICも終わり、山のような人々と波のような人々があの道を…

そこからバスに乗れるまでに30分は待たされる。


underworldを捨て、市バスに乗ったので、お家にたどり着いたのは22:30頃だった。行き帰りははるかに例年より楽だったのに、暑さが私を捻り潰した。あつー。暑さは人間にコントロールできないもんね。暑さに全敗の今年のサマソニ


summer sonic0821

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毎年サマソニは過酷ではあるが、今年は特に過酷だった。暑いのが嫌いではないものの、得意ではない。貧血気味なので、身体は拒否反応を示しているのかもしれない。でも夏は大好きだ。


土曜のサマソニ大阪はバスの関係であわあわしていたようだと、Twitterで見ていたので、いつも使っていたシャトルバスを見合わせ市バスで行くことにした。最悪タクで行けばいいし。結果的に市バスは臨時を増発してくれていたので、シャトルバスの待ち時間(去年までの)より、はるかに早かった。近いし、安い。なんで気づかなかったんだろーね。市バスの存在に…


the struts90年代のロックを彷彿とさせた。若いって聞いていたけどほんと?声のせいかも。往年のロックスターをライトにした感じやったわ。ぐいぐいひっぱって盛り上げていたから、朝イチやったけど、楽しかった。


空白の時間。

strutsがなければ、digitalismから観ようって言っていたので、この間は休憩とご飯だった。


今回観たかったのは

struts.

digitalism.

charlie puth.

andy black.

panic!at the disco.

at the drivein.

weezer.

underworld.

the offspring.

14:30からつめつめの予定になっている上にかぶりまくってあんまりちゃんと観れない感じになっている。


ただ、digitalismは完璧に丸々観れる予定だったのだが、諸事情で1曲聴いて退散。後のcharlie puthは1mmも観ていない。andy blackって日本のビジュアル系みたいやなー、と頭によぎったところで、コンビニへ。


p!atd久しぶり‼︎久しぶり‼︎待ってた!やっぱり安定の安心感。この感じを待っていたよ。このタイムテーブルめー!楽しかった。後ろ髪引かれつつ、抜けてatdiへ。結構ぎゅうぎゅう。暑くて疲れてきた。うわー。ちっちゃー。クラクラしてきたので、一休みを兼ねて空いているトイレに。


着替えてweezerへ。いい感じに日陰ができていて、すっごい人でパンパンで、楽しかったー!やっぱりすごい人気ぶり。VJも可愛くて嬉しくなってきた。日も落ちてほんとにいい感じ!


underworldが見たかったんだけど、mountainからoceanまでトコトコ歩いて15分かかった。人の波で歩いたらきっと20分、往復40分。ステージ配置が変わった為にoceanはロッジの奥の海側に。つまり一番奥手の出口から1番遠い場所。

車で行っていたら多分観ていた。友達の終電が早かったために断念したよ。本当はオフスプと半々で観たかったのになー。去年の配置なら観れたのにな。うえー。


オフスプ間違いない。

途中脚を怪我した男の子がいて、無事帰れたのか他人ながらに心配したわ。他のお客さんも大丈夫ですか?って聞いていた。お家が近いといいのだけど。

まともに歩けもしないのに、オフスプ好きなんだろう飛んでは辛そうにしていた。無理だよそれ!


過酷やった。暑さがたまらん。ミストも全て消え去っていて、SONICが死んだマグロだらけになっていた。私も1マグロだった。本当はATCに戻してほしい。騒音問題があったから仕方ないけど。大阪でフェスといえば!なので無くして欲しくはないけど、辛かったわー。


sound&color

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alabama shakesが来日するらしい!しかも、東京だけではなくしっかりツアーをするようだった。12月なんだけど。年末なんて考えたくもないな。まだ夏が始まったばかり。梅雨が明けた途端に湿気のないからりとした晴天になって気分も晴れる。



今年は夏休みも期待できないし。やりたいこともやらなきゃなこともたくさんあるけれど。それでもやっぱり夏は楽しい。

でももう8月になるとすぐに、晩夏という言葉がちらつく。夏はいつもさっさと立ち去ってゆく。


最近電子マンガを時々読んでいる。やらなきゃいけないことがあるとついつい現実逃避的に読むことがある。と言っても無料の範囲なので出だしだけとか一巻だけとか。

また後日、漫喫で読もうなんて考えるけど、一体いつ行くのだろう。多分行かない。


暗いんだか、明るいんだかよくわからない。漫画とかドラマとかで、主人公に影響を与える割となんでもわかっている感じの人っているでしょう。達観しているような、既になんでも知っているかのような。

ああいうのを見ると、ええ役やなぁーと思う。神社の跡取り息子がまさにそんな役。といっても最初の方しか読んでないからなぁ。どうなるのかわかんない。