いい風が吹いている

ライヴとジムが休日の中身だった私にとって、現在は休日の中身を変えてしまうしか方法がなかった。

 

ともかくライヴがないので、行きようがない。「お家時間」なんて思いで家にいるわけではない。引きこもり気分で家での生活を満喫していることの方が多い。最近は少し出歩くこともあるし、仕事は毎日行っているので、出歩くことへの抵抗が私はほとんどないが、リモートで仕事をしている人たちにとっては、家を出ていくことに少し抵抗があるのかもしれない。

とはいえ、引きこもって誰にも会わずに、外界と遮断して数日過ごしたいと言う欲求が強いので、たまに実践することがある。ただ、連休になることがほとんどないので、数日引き篭もりたいと言う願いは叶いそうにない。

また願ってはいるが、美容室へ行ったり、人に会ったり、飲みに行ったり、買い物に行ったりする必要があるので、正式に引き籠ることができるのは数時間という感じになってしまうのが現状だ。それを引きこもりと呼ぶのかは疑問ではあるが、「引きこもりたい!」という前向きな気持ちの上で実践しているので、私の中では「引きこもり」と呼んでいる。

「引きこもり」の間、何をしているのかといえば、掃除、洗濯、ゲーム、ドラマ、映画、アニメ、読書という他愛もないことをしている。何が目的かははっきりしている。現実逃避を目的にしているのだ。私の仕事から、遠ざけてくれるものならなんでも良くて、できれば没頭できれば尚更いい。

しかしながら、掃除、洗濯は気分転換にいいし、とにかく私は洗濯が好きなので、趣味と言ってもいいのだが、どちらにしても生活に密着しすぎていて現実逃避感が薄いのが問題でもある。そのほかといえば、とにかく目が疲れる。アニメを見すぎて目が痛いとか、映画を見過ぎて、目が痛い。とか。ともかく目が痛い。

目が痛くならない何かを始めようとして、観葉植物を買ってきて、コーヒードリップを手に入れた。もちろん、コーヒーミルとコーヒー豆も手に入れたし、ドリップポットも手に入れることに成功した。休みの日は、ご機嫌にコーヒー豆を挽き、コーヒーをいれている。当然のことながら、何が正解なのかはわからないが、満足しているので、満足だ。

とにかくコーヒーはいい匂いで、嬉しい。

それに毎日、ガジュマルに葉水をやって、眺めまわしている。いつ水やりをしたらいいのかをいつも迷っている。

育て方を調べることが多くなったのだけど、「元気がない時には」とか書いてあって、私を悩ませる。「元気がない」ってどうやったらわかるのだろう。「君、元気なの?」と聞いて、キジムナーが返事でもしてくれたら、いいのに。ガジュマル君は果たして元気なのだろうか?私はいつも心配している。枯れないでくれよと、毎日葉っぱの裏まで観察している。

毎朝、ガジュマルに葉水をやって、窓際の日当たりのいいところへ移し、窓を開けて換気する。それで、朝の準備が終わって、仕事へ行く時には、窓を閉めてガジュマル君を置き去りにしないといけなくなる。暗くなってから、家に着いたら、換気もできない。ただ、いつもの棚の上に移動するだけ。だから、休みの日には一日中、日当たりのいい窓際で、そよ風に吹かれていれる状態を作っている。引きこもりにはうってつけの理由だ。