何故かはわからないのだけど、
私は一度もライヴへ行ったこともなく、また行こうとも思わなかった。
それは多分、好きだったころは子供で、お客さんは全員大人で
きっと自分が行くには子供すぎると感じたからだと思う。
それに一緒に行く友達がいなかったことも大きい。
筋肉少女帯を聴いたときはまだ小学生だか中学生になりたてだったと思う。
大槻ケンヂがイケメンでも私の回りには賛同する人はいなかった。
それでも私の中ではアイドル的存在だった。
時にTVで見かけては、わくわくしていた。
正直、ギターの音とかは私の好きな音ではなかったと思うが、
それを凌駕する世界観があった。
中学の2年生あたりからライヴハウスに行くようになって、ライヴが一番なのだと思い始めた。
好きなバンドのライヴには行ってちゃんと聴く必要があると思うようになった。
多分どっかの誰かが、バンドなんだからライヴがよくないとダメだとか言ったのだろうな。何かの雑誌のインタビューだかなんだかで。
私が突然そのようなことを思いつくはずなんてないのだ。
そのころには筋少も聞かなくなったいたように思う。回りの友達は誰も筋少を聴かなかったし、みんながかっこいいという人たちはオーケンではなかったからだ。
誰が好きだったのかは忘れたけれど、もう少し、短髪のさわやかな人間か、ビジュアル系の人間だったように思う。
時の経過した後にでも、私の中では時々、頭の中を駆け巡る音楽の代表として筋少がある。突然、オレンジエビスを思い出してはくるくる回る。「ラッシャー木村はえらい」と心の中で歌いながら歩いている人が今この瞬間何人いるのだろうかと思うと、なんか楽しくなってくる。
多感な思春期の時期に、筋少を聴いていたことは私に何かを残したのだろうと思う。
私の好きな人も筋少を聴いていたことがあり、なんとなく親近感を覚え、筋少よありがとうと思ったものだ。
数年前にGEZANのライヴで東京へ行った際に、ランチを食べる店を探していて、
高円寺の七ツ森に決めた理由は、誰かが書いたここの紹介文に大槻ケンヂと書いてあったからだ。
勿論、私とて行けばオーケンに会えるなど思ってはいない。さすがにそれはない。
とはいえ、名前があってそこに決めてしまうくらいには今もオーケンが好きだ。
先日なんとなく、人と話していてオーケンの話になって、ネットで検索をしたら、
筋少ではなく、ミステリ文庫としてライヴの予定が見つかった。
JANUSで大槻ケンヂミステリ文庫→オケミスのライブがあった。
なんとなく、行こうと思って、ひとりでひっそりとライヴへ行ってみた。
オケミスを観たのは初めてで、オーケンを見たのも初めて。
こんなに好きだったのに、初めて見たのは50代のオーケン。
変わらずかわいらしかった。Applemusicで聴いた1枚だけで、なんとなく楽しかった。
年齢層はすっごい年上が沢山いて、若い人も割といた。どこで好きになったんだろう??
全員椅子に座っていたからだけど、ステージがよく見えた。ステージ上は素敵なスーツに身を包んだメンバーがいて、全体的にほわんとしていた。かわいらしい。
それに物販にチェキがあるとか。すごいな。みんなにとってもアイドルってことなんだな。
確かにステージにいたのは、私の知っているオーケンではなかったけれど、一体私はオーケンの何を知っているというのだろう。
何も知らないのですけど、ただかわいらしかったです。