お風呂のお供と言えば、本。
カバーを外して手を拭いて持って入る。文庫本しか持って入らないようにしている。重いし、濡れたらやっぱり嫌だ。
文庫本はちょっと濡れるくらいなら乾いたところで損傷がない。多分、湯船に落っことしたりしなければぼよんぼよんにならない。
Self-Reference ENGINE (ハヤカワ文庫JA)
- 作者: 円城塔
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 文庫
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これは本当に繰り返し読んでいて、実家に帰る途中の電車の中やお風呂にも繰り返し登場する。繰り返し登場するので、水での損傷が少ないと言ったが、結構きてるな。カバーはいつも外しているので綺麗だが、中身はボロボロ。特に売る予定もないので構わないけれど。古本屋さんでも買わないな。これは。
なんで何回も読んでいるのかと言うと、この中に短編がおさまっているのだけど、リタの話は時間軸によるお話なので、いつでも大丈夫です。しかしながら、おばあちゃん家の床下からフロイトが何体がでてきたとか、毎年寄木細工の箱をある一定方向に転がす話があって。その話を夢中で読んでいた時に、ふとなぜフロイトがいるのか理解した瞬間があったわけです。
わかった!と思って、自分の中で理解を反芻しようとしたところ、言葉にして、頭の中で整理する前に、音を立て、泡となって消えてったわけです。あれから、あの、わかった!ってやつが帰ってこない。
時々、英語でお話を聞いていて、その時は英語として理解していたと思っていても、何て言ったの?って聞かれると日本語にする前に消えていくことがあるのだけど、あれはわかっていないのか、ただ、記憶力の問題か。こんな感じのことを言っていたよ。とは言えるけれども、日本語に訳すことができない。
フロイトについては、日本語だし、手元に本もあるのだから記憶の問題なんかではないのだけど。泡泡で消えてったすぐ後に再度、本に目を落としたけれど、なんにもわかんなかった。
本を読むと映画のように映像が浮かんでくる。そうやって読んでいると、もっと先が気になって、自然と読む手が進んでいく。最後まで読み切って、映画を見終わったよな気分になって、余韻を味わって。それから、おもしろかったり、味わいたければ、また最初に戻って、読み始める。
2回目に読むと、勿論話はわかっているものの、1回目には読みこぼしていた(読んでいたのだろうけど)部分に気付いてみたり、新たな事実が判明するもので、退屈な本でなければ、読むのをお勧めする。
さすがに3回目となると、好きな世界観とか大好きな本でなければ難しいだろうけれど。長編になると時間もかかるものだしね。
でも、数回読むことが多いので、自分の場合の1回目は夢中になって、映像的にしか本を読んでいないのかもとも思う。自分で映像に補填をして、ずんずん読み進めているのだろう。2回目はわりと安心して、文章を意識して読めるものです。
罪と罰が大好きで、本当に繰り返し読んだ。新潮社のを読んだけれど、訳者によって違うのなら別のも読んでみたいかも。
ロシア語は読めないので、ほんとは原書が読めればいいのだけど。
ドストエフスキーってお金に困って、本を書くから前借りさせてくれといい、結果的に名作をどんどん書いたってなんかで読んだけど、才能っていうものはそういうもんなんかね。
- 作者: ドストエフスキー,工藤精一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1987/06/09
- メディア: 文庫
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