やっぱり、日本画とか水墨画はいいわねー。なんて色々と話して感想を述べ合いながら70近い方々が4.5人で横山大観の絵を観ていた。なんか、いいわねー。なんて私も思ったよ。おばあちゃんになってからお友達数人と美術館に行って、ランチなんてしたりして。微笑ましい。
ホテルモントレーグラスミアハウスにある美術館に行ってきた。めちゃこじんまりしていて、ともかく、ゆったり。人も殆どいず、満足した。
点数自体は非常に少ないので、のんびり観てもすぐに終わります。
写真NGだったので、、ネットを漁ったけれどなくて。紅梅は大観が幾度となく描いたのか、沢山ありますが、今回のものは見つからず。
紅梅の色や、鳥、枝振りにお花の色味を眺めているうち、なんかちょっと泣きそうになった。
大きな枝の流れに背いて、ちぃと垂直に伸びた小枝に掴まって、小鳥が本物の様に優雅にでもなく、必死にでもなく、キレイな目をしてちょこんといて。
枝に加えられた、ウグイス色のような、苔のような色と、余白の紙の色。枝の上の方に丸々として、まだ柔らかくなり始めたばかりのような蕾の色。大きな紙に、大きく、または控えめに咲いている紅梅のシルエットを見ているうちに、なんだか泣けてきた。
綺麗すぎたのかもしれない。
旭日は紙いっぱいにまんまるの大きなおひさまが一部の曇りもなく光っていて、朱の色を惜しげもなく輝かせている。力のある、引力のある、毎日に感じる陽の光を1枚に閉じ込めたような存在感のある絵だった。
実は横山大観は有名なので名前だけは知っているものの、殆ど何にも知らない。シルクに描いていたり、屏風になっていたり、とてもきれいだった。
何を思って描いていたのだろう。
目に映る色は、照明の色彩によってずいぶん左右される。私の見た色を正確に、印刷することはできない。何故なら、私の見ているこの色が、元々発色している色味と相違ないかわかりはしないから。
光源の種類を限定して、いちいち色味を確認して、インクや紙を決め、印刷したり写真に収めたり。そうやって、画集やポストカードは作られている。
でも、私が美術館で見た色彩は、印刷の際に決められている光源とはおよそかけ離れている。
実際に見るものは、脳みそが判断し、見えていないものまで補填してしまうし、私には見たいものしか目に映らない。
写真や本だけじゃ、やっぱり限界がある。その空気や、存在感も含めて、体感できるものはしてゆきたいなと、やはり思う。
- 作者: 中島敦
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